栄養バランスを整えることは生産性の向上につながる

「健康経営」の具体的施策になりうる「食事」と「共食」

核家族化が進んだ現在の日本では、家庭でも家族で一緒に食事をする機会は限られていて、1人で過ごしたりごはんを食べるケースが少なくないです。孤食は食べ物の軽視に繋がり、簡単に食べられる物で済ませることや、栄養バランスの偏りといった問題があります。また、好きな物ばかりを食べたり、逆に嫌いな物は安易に避けるというような問題も懸念されます。当然ながらコミュニケーションはありませんし、会話を楽しむこともないので、協調性や社会性が欠ける傾向となります。健康を考えると、栄養バランスも楽しくないことも問題ですから、健康経営の施策に取り組むのであれば、みんなで一緒に共食を目指すのが得策です。

 

共食は孤食の問題を解消するのに有効で、様々なメリットに期待できるのが魅力的です。食事中の会話はコミュニケーションを生み、お互いが交流を図って人間関係の促進に役立ちます。難しく考えなくても、共通の話題で盛り上がることができれば、それだけで楽しい時間になります。

 

社員食堂などの形で場の提供を行えば、栄養バランスの良いメニューが用意できたり、偏りや食べ過ぎを防げます。時間を決めて食べるという習慣は、間食を防げる上に、計画性のある生活習慣の実現に結びつくでしょう。変化が楽しめるメニューの提供も重要ですが、みんなで一緒に共食することこそが、健康経営の施策の第一歩となるわけです。社会人は皆誰もが忙しく、余裕を持ってごはんを楽しめない人もいますが、忙しいからこそ共食でリフレッシュすることが大切です。

 

みんなで一緒に共食することは、様々な話題に触れたり、知らなかった情報が耳に入って新たな興味を抱く切っ掛けになります。ただ単に共に過ごすだけでなく、食事を通して多様なメリットを享受できるのが共食の良いところです。

 

毎食共食は難しいとしても、例えば会社でランチタイムに共食の機会を設ければ、健康経営の施策で社員の健康が守れるでしょう。これは栄養面のバランスや充実に加え、精神的な安定や充足をもたらすものです。

 

1人孤独に食べ物を口に運ぶよりも、誰かと一緒に同じ時間を共有したり、会話を楽しみながら笑い合って食べる方が断然良いです。孤食は口数が減りますし、会話の相手がいないだけあって、ネガティブな思考に支配されがちです。反対に共食はコミュニケーションが自然と生まれるので、孤独を感じることはなく、話題に集中できて楽しい気持ちになれます。

 

栄養バランスの乱れは生産性の低下につながる

経営者目線の健康経営の施策は、社員の健康状態を気に掛けたり、食事で心身を守ることに繋がります。栄養バランスの乱れの放置は、精神状態の不安定さや将来的な健康リスクを高めるので、早めに手を打つことが求められます。

 

しかし、本人の自覚が薄かったり、自分自身に関心がない人が多く、上司が指摘したり見直しを促しても改善が乏しかったりします。その点みんなで一緒に共食の機会を設定すると、社員の健康促進が図れますし、健康経営の施策として評価されることになるでしょう。いただきますやごちそうさまといった食事の挨拶は、人としての基本的なマナーを確認することになります。同僚や先輩後輩、あるいは経営者も一緒になってごはんを食べるので、他人に関心を持ったり興味が湧き始めます。

 

みんなで一緒に共食をすると、世代を超えた時間の共有が実現しますから、会話があれば普段は難しい交流が図れます。共食で食事をする機会は、スマホをいじることが憚れるので、他の人達の会話に耳を傾けたり、自分も交流したいと思うようになり最近食べた物の感想を交換したり、興味を持っているお店やお酒といった話題も、みんなで一緒に共食をするとより一層楽しめます。

 

健康経営の施策は、栄養バランスや運動習慣に意識が向かいがちですが、一緒に食べる時間や機会にも意味があると知ることが大事です。人との関わりは孤独感の解消に役立ちますし、自分も仲間だという意識が強まり、協調性を発揮するに至ります。

 

仕事はチームワークが肝心ですから、コミュニケーションを図りお互いのことを知る機会が必要不可欠です。その機会こそが共食で、栄養バランスと楽しく食べることと併せて、協調性の改善に結びつきます。

 

美味しく食べられる時間は、楽しいひと時として心身を充足させますし、ランチタイムであれば午前中の疲れをリセットさせることになります。疲労感や集中力の低下がリフレッシュでリセットされれば、午後に向けて活力が生まれますし、もう一度集中して仕事に取り組めるはずです。

 

メリハリのある生活習慣は、人のパフォーマンスを引き出すのに重要ですから、経営者がその機会を提供するのは健康経営において合理的です。具体的に何をするかは経営者次第ですが、ランチタイムに注目して施策を実行するのは良い判断です。勿論、意味がなかったり社員の負担になるやり方はNGなので、無理なく気軽に参加できる施策が望ましいといえます。

 

共食はハードルが低く、期待感が持てるメリットが多いですから、やってみる価値はありますし、試して結果を評価してから継続を判断できるので経営者にとって便利です。