「飲みニケーション」に代わる「ランチ会」のコツ

「飲みニケーション」ってご存じですか?

会社での連絡手段のひとつに、飲みニケーションという言葉があったことを覚えている人も多いのではないでしょうか。要するに業務が終わった後に、上司が部下を誘って、もしくは取引先の会社のスタッフと意見を交換し合うことですが、一緒にお酒を飲みながら、世間話も交えてざっくばらんに話をするところからその名前がついたものです。

 

アルコールが入ると人は大抵の場合、普段よりも饒舌になるのでビジネスアワーには絶対に聞くことが出来ないような、相手の本音みたいなものも比較的容易に引き出すことが可能な場合もあります。

 

飲みニケーションに代わるランチ会

最近オフィス街で流行しているのは、そんな飲みニケーションよりも会社でランチ会を行うことです。これは、会社の社員間のコミュニケーションの活性化を図ることを目的としたもので、短期間の間に企業間の間に広がったシステムだと言えるのではないでしょうか。

 

飲みニケーションを図ろうと、せっかく部下を誘って退社後に飲みに行こうとしても、自分のプライベートな時間までを会社の延長にしたくないと考える人は決して少なくはありません。そして、中にはそのことをはっきりと上司に伝えて誘いを断るという例もあります。

 

その点会社でランチ会ならば、就業時間内に行われるわけですから、退社後のプライベートな時間は確保することが出来ますし、ランチタイムに行われるので、時間に限りがあるというところも人気の秘密となっているのではないでしょうか。飲みニケーションに比べたら、ずっと気軽で費用も掛からないと言うことが出来ます。

 

会社でランチ会のメリットはたくさんありますが、そのひとつに挙げられるのが、部署を超えた交流が出来るというところです。特にたくさんの部署を抱える企業では、なかなか他の部署の社員と話をする機会を見つけられません。たまに他の仕事に従事している人と情報交換をすることで、刺激が与えられますし、自分では思いつかなかったような発想に結び付くようなことも考えられます。

 

それから、普段ならば顔を合せることも稀な、役職の人や時には社長と話をする機会となるのも会社でランチ会を行うことならではです。もしかしたら、思っていたよりもずっと気さくな人だったとか、社員のことをこんな風に考えていたことがわかった、などという新しい発見が出来るかもしれません。

 

ランチ会を成功させるためのコツ

そんな会社で行うランチ会を成功させるためには、いくつかのコツがあるということを覚えておくと良いでしょう。先ず、課題となるのが日程調整です。特に企業トップや部署間を超えたランチ会を設定するとなると、みんなの都合を合せるというのは大仕事になってしまいます。ですからそんな開催規模によっては、あらかじめ毎月何週目の何曜日というように、具体的な日時を提示することが、多くの社員に参加してもらえる鍵となるでしょう。みんなの頭の中に、ランチ会は何週目の何曜日だという具体性がインプットされれば、恒例と見なされて開催しやすくなりますし、役員や社長等を招きやすくもなります。

 

それから考えておきたいのが、どんな形のランチ会とするかということです。お店を借り切って行うのか、それとも各自で自分のランチを用意するのかといった形態を、事前に伝えることが重要となります。ランチ会をマンネリのものにしないために、たまには趣向を変えたイベント的な方法を用いるのも有効なのではないでしょうか。例えばお店を借り切って行っているのなら、たまにはお店を変えてみるとか、会社の会議室にケータリングを呼んで立食パーティー的に行うというのもひとつ方法です。立食形式ならば、着席している訳ではないので、自由にたくさんの人とコミュニケーションを取ることが可能です。普段は近寄りがたい役職付きの人とも、話が出来る良い機会と捉えてみてはいかがでしょうか。

 

会社に勤めている限り、1日の就業時間はもしかしたら寝ている時間を除いたら、自宅にいるよりも多くなるのが一般的です。ですから、出来る限り雰囲気の良い職場で働きたいというのが、みんなの共通の願いだと言っても良いでしょう。会社でのランチ会は、職場の雰囲気をより良くするために一役買ってくれます。イベント的な空気の中で、仕事とは関係のない雑談をすることは、コミュニケーションを活性化する絶好の環境を持っています。業務上では決して知り得ない、同僚の別の顔を知ったり、上司と共通の趣味があったなどという小さな発見が、親近感を呼ぶことでそれが仕事を行う上での潤滑油的役割を果たすことがあることを覚えておきましょう。

 

会社でランチが定期的に開催されるようになったら、ランチ会の幹事的な役割を持ち回りで行うというのも良い方法です。課ごとの持ち回りにすれば、課内のコミュニケーションの活性化に繋がりますし、違う人が手配することで、また違った趣向のランチ会となるかもしれません。

 

このように会社でランチ会を行うことは、企業の風通しをより良くするためのさまざまな可能性を持っています。飲みニケーションよりもずっと手軽でコスパも良く、それでいてメンバ-が揃うという点では飲み会よりも成果を上げることが期待出来ます。