共食を実践するメリットとは

お一人様の食事は様々な問題に

生活していく上で一番大切な「食事」。以前は家族そろって食事を共にするのが一般的でしたが、近年では少子高齢化など社会環境の変化やライススタイルの多様化により家族そろっての食事をする時間が減ってきており、幼児期から「孤食」をする子供も珍しくありません。

 

家族と一緒に食事をする頻度については、内閣府での調査でも朝食で25パーセント、夕食も9パーセント近くが「ほとんど一緒に食べない」と回答しています。

 

この事実は、ただひとりで食べるということよりも、家族間のコミュニケーションが不足することで社会性や協調性が欠如してしまうことに加えて、嫌いなものは食べなくなり好き嫌いが助長されることや、寂しさから悲観的になるなど情緒不安定になり心の病気を誘発しやすくなるという弊害も生まれます。

 

孤食以外にも「こ食」には、子供だけで食事する「子食」や少ししか食べなくなる「小食」、パンや麺類など粉が原料の食品ばかりを食べる「粉食」などがあり、社会問題として取り上げられることも多くなりました。

 

共食で問題解決!

現在、全国で食育活動が進められていますが、そのキーワードとなるものが「共食」であることをご存知でしょうか。

 

共食とは家族や友だちと一緒に食事をすることで、たくさんのメリットがあることが注目されています。

 

そのメリットは、家族とのコミュニケーションをはかることができることを始めとして、楽しく食べることができることや、規則正しい食生活が送れること、栄養バランスの整った食事を摂れること、作ってくれた人などに対する感謝の念を育むことができること、食文化を伝えることができることなどがあります。

 

更に、共食研究が始まった1976年の高齢者食生活調査や2002年の「65歳からの食卓」などによると、孤食が少なかった人は食事内容の量や質について問題点が少ないことや、健康や日々の生活、人間関係や生きがいなどに関して積極的な人や良好な行動の人が多いことが明らかになっています。

 

ひとりで何も気にせず食べるのもたまにはいいですが、家族や仲間と一緒に食べると食事のマナーや料理についても会話が弾み、いろいろな栄養も摂りやすく何よりも楽しくおいしく食べることができることが大きな魅力です。

 

仕事などの関係でなかなか家族そろって食事をするのは難しくもありますが、誰かが帰ってくるまで少し待ってみるなど、できるだけ一緒に食事する機会を増やしてみてはいかがでしょうか。